旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

世界を渡り歩いた店主がつくる一皿に心酔 テラスアンドミコ(中央区春吉)

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  2016/02/09   ※記事公開時の日付です

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初めて行くとメニューを見て戸惑うかもしれない。フィッシュアンドチップスにアーティチョークのマリネ、さらに寿司まであるとは! この多国籍かつ奇想天外なメニュー構成は、各国のミシュラン掲載レストランを渡り歩いてきた店主・久保田謙介さんだからこそ可能なのだ。

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まずは「前菜3種(2人前1300円)」を頼む。繊細なバランスを保った立体的なカルパッチョ、カナッペ、野菜のロールに舌鼓を打ちつつ聞いてみた。どうして海外で修業を?

「最初は親不孝通り近くのカフェで働いていたんです。ある日、担々麺を開発して出したら、ものすごい行列ができるようになって。カフェなのに担々麺を作り続ける日々に『このままじゃいけない、もっと料理の基礎を学びたい』と思ったのがきっかけです。

どうせ行くならミシュラン掲載店で修業をしようと20代でイギリスに行き、フィッシュアンドチップス屋の2階に下宿しました」

なるほど、と本場仕込みの「フィッシュアンドチップス(1500円)」をオーダーする。フィッシュフライにビネガーをたっぷりとかけていただくのがイギリス流だ。サックリとした衣がたまらなく香ばしい。

「海外には8年いました。有名なレストランだとZumaやNOBU、呼ばれたらフランスでもモナコでも、香港でも働きました。だから、僕の料理は全部“どこかの国で学んだ何か”なんです」

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柚子やワサビのペースト、土佐酢のジュレを使った「握り3種(980円)」は日本人の発想にはないあでやかさだ。醤油もそのまま使うのではなくペーストにして新鮮な風味をもたらしている。
また、柑橘類の合わせ方が抜群の「ハンガリー産合鴨のグリル(1650円)」は鮮やかなビーツのソースが目に楽しい。海外が目に浮かぶような料理がTelas&micoらしさとなっている。

ただ、20代の頃から変わらないところがある。新たに生み出すメニューに熱烈なファンがつくのだ。

ある時はラム肉がどんと乗ったカレー「ラムコフタ」ばかりをつくり続けることになり、ある時は期間限定メニューのパクチーラーメンを期間延長して出し続けることになった。それもこれも、「最近、すごいラー油をつくったんですよ。食べてみます?」とにやりと笑う、久保田さんの飽くなき探求心のせいだろう。

次のヒットはなんだろうか。動向から目が離せないでいる。

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奥永智絵

ライター・エディター

福岡市で活動するライター・エディター。県内60店以上でカレーを食し、出張となればカレー屋を探し、ふつか酔いにも風邪にもカレーが効くと信じている。ほとんど毎晩飲んで過ごし、心惹かれるつまみは炙りもの、燻しもの、漬物。

■店舗情報

店名 テラスアンドミコ(Telas & mico)
ジャンル ダイニングバー
TEL 092-731-4917
住所 福岡県福岡市中央区春吉2-1-16
交通手段 渡辺通駅から435m
営業時間 19:00~翌2:00
定休日 月曜

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