旅行や日々のグルメ探訪に！ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

ゆっくり時間があるわけじゃないけど、ランチでちゃんとしたイタリアンを食べたい。そんなときは、トラットリアポルチェリーノに行くことにしている。
一人でも気兼ねせずに座れること、ある程度ゆったり座れること、料理を出すスピードが心地いいこと。気持ちのいいランチにはいくつか個人的な条件があるけれど、その多くを満たしていて、もう2、3年通っている店だ。

前菜ですべてが決まる

そう言っても間違いではないほど、前菜は大事だ。だから、ランチセットでよく出てくる生野菜にドレッシングをかけただけ、のようなものは無理につけるくらいならなくていい。おいしいものを食べようというのに生野菜をとろうなんてヘルシーな考えは捨てるべきです。けっして野菜が嫌いではない。あの適当なグリーンサラダがいやなんだ。

その証拠に、ここが好きな理由の大部分は前菜のバランス。グリーンサラダ、（たぶん）ボローニャ・ソーセージ、人参とイタリアンパセリのマリネ、ズッキーニのオムレツ。サラダはレモン風味のドレッシングでていねいに和えてあるし、4品あって彩りがよくて見た目が美しい。ポーションもわたしにとってはジャスト。ひとつひとつしっかりとつくっていて、あぁパスタはどんなのだろうと期待が高まってくる。

当然、パスタもおいしい

パスタは週替りで、オイルソースとトマトソースの2種。オイルはペペロンチーノのことが多くて、この日は「とうもろこしと小柱のペペロンチーノ」。トマトは、なんだっけ。キノコのブッタネスカとか、地ダコのラグーとか、いつもそんなふうなラインナップです。

とうもろこしと小柱、どんなふうだろうと思って食べると、ふわっと甘みが広がってくる。とうもろこしのフレッシュな甘さ。それに小柱の旨みがじんわり。おそらく味付けってわずかなワインと塩くらいのシンプルなもの。やさしいけれど、どこをとっても隙がないというか。きっとシェフもそんなお人柄なんだろう。

コーヒーにはブラウンシュガー

食後のコーヒーにブラウンシュガーがついてくるのもうれしいね。あ、わたしが個人的に好きなだけです、ブラウンシュガー。コーヒー1杯に、ブラウンシュガーを2個か3個。酸味が少なめでマイルドなコーヒーも好みの味。

ランチのパスタセットは前菜、パスタ、コーヒーで980円。この日は日曜日の12時前という早めスタートながら、ノンアルコールで食べて40分くらい。この短い時間で満足度も高い。いいお店である。

安永真由

ライター／ディレクター

ラーメンやうどんなど麺類を愛する。ほかにはカレー／卵料理／純喫茶／洋食／古い店／お酒全般。辛いものを食べるときは汗だくになります。