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五鉄といえば軍鶏鍋だけど、鯛めしも絶品なんだ 五鉄(中央区六本松)

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  2017/05/02   ※記事公開時の日付です

噂には聞いていましたが想像以上でした。五鉄。
まず、メニューが多い。本日のおすすめ以外に肉、魚、揚げ物、一品、つまみ、麺、めしとページをめくる回数が個人営業の居酒屋にしては多い。

そして料理がすごく丁寧。つきだしが温めた器と冷たい器の2種出てきたところですでに満足したのだが甘かった。その後頼んだもの全部、酒飲みに合うしっかりした味付けでどれもはずれなし。値段も600~700円台が中心でなお嬉しい。

最後に店主が○○好き。店名と見出しでピンと来た方、答え合わせはのちほど…。

豆腐料理の貴婦人現る


つきだしのじゃがバターには刻んだアンチョビ入り(たぶん)のもろみがかかっていて、タコの酢の物はタコが異様においしい。わさびが、刻みわさびなのもいい。

なんだ、ここは!と期待度が最大値に引き上げられた時に一品目が運ばれてきた。本日のおすすめ「菜の花と豆腐の揚げ出し」(780円)。鶏だしがしっかり、しっっっかりと出たあんをまとった豆腐は、上品で清楚でちょっとふくよかな貴婦人だよ。とろけるナスも麗しい。

揚げたてを食べるのは初めてかもしれない


あれば食べるけど「是が非でも今日はこれが食べたい!」という時がない、辛子レンコン。すまんかった。ごめんよ、辛子レンコン。揚げたてってこんなに甘くて、つんとして、シャキシャキして残り香に恋しくなるんだね。唾液が止まらないものだったんだね。今夜初めて恋したこちらも本日のおすすめから。「揚げたて辛子レンコン」(600円)が次もあれば頼むと思います。

和もいいが、洋メニューもぬかりない


和のメニューが並ぶ中、輝きを放つ「カキの松の実バターオーブン焼き」(780円+バケット100円)。ふんわりした食感の牡蠣にまとわりつき遊んでいるバターソース。お父さんの周りで「遊んで~」と言いながらぐるぐる回っている子どもが目に浮かびました。良い光景だ。添えられたバケットでソースも余すところなく。

鬼平犯科帳といったら五鉄ですね



そもそも五鉄に行ったのは、友人がたまたま「よみがえる長谷川平蔵」特集を持っていたから。池波正太郎さんの鬼平犯科帳によく出てくる軍鶏鍋のお店が「五鉄」だから、と向かったのです。あとから店主(たぶん)に伺うとやはり池波正太郎さんがお好きだとか。2人だったため軍鶏鍋は断念しました。誰か…!誰か一緒に……!

ちなみに背後に見えているのは柚子胡椒風味のサガリ。柚子胡椒風味って、強すぎるともう完全にダメだし、少ないと物足りないのだが、これはベストな塩梅。素晴らしい。

シメの鯛めしに思わず声がもれる……



ほかのお客さんが頼んでいるものが気になって、追加で鶏つくねも。ずっしりジューシーなつくねに軟骨の食感が軽やか。照り焼きたれが濃く感じないのは鶏の存在が大きいからでしょうか。いやー、ごはんがほしい。


きましたよ。オーダーから40分かかるという鯛めしが。鯛のうまみとだしが隅々にいきわたって、どこもかしこも愛しい。しかも、あおさの味噌汁&おしんこ付きでやってくるのがにくい。あんなに気持ちをゆさぶって、最後に優しさを伴うダーリン、また会いたくなるじゃないか。

ああ、六本松には五鉄がある。幸せだねぇ。

奥永智絵

ライター・エディター

福岡市で活動するライター・エディター。県内60店以上でカレーを食し、出張となればカレー屋を探し、ふつか酔いにも風邪にもカレーが効くと信じている。ほとんど毎晩飲んで過ごし、心惹かれるつまみは炙りもの、燻しもの、漬物。

■店舗情報

店名 五鉄
ジャンル 和食、居酒屋、鍋
TEL 092-731-5120
住所 福岡市中央区六本松4-1-16 六本松ビル 1F
交通手段 地下鉄・西鉄バス「六本松」駅から徒歩3分
営業時間 17:00~翌01:00(L.O.)
定休日 火曜

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