
「どさんこ」という名の“博多”の味噌ラーメン 川端どさんこ(博多区上川端町)
福岡で味噌ラーメンに期待してはいけない。看板商品にしている店もあるにはあるが、正直、胸踊る店はない。ただ、川端商店街の「どさんこ」だけは別である。いや、食通に「格別に旨いのか?」と問われれば、「それほどでも」と言葉を濁すしかない。懐かしいのだ、「どさんこ」は。ぼくにとっての味噌ラーメンの原点の味なのである。
博多っ子に愛されて45年
来店するたびに一応、迷いはするんだけど、結局はひき肉が入っている「特製味噌」(650円)を、ぼくは決まって注文する。「どさんこ」のスープは浅い。でも、そこがいいのだ。「味噌ラーメンのスープは濃厚じゃなきゃ!」などと言う輩には蝦夷に帰っていただこう。悪いけど、これは福岡の、博多の、川端通りの味噌ラーメンなんやけん。
麺は多加水の中太ちぢれ麺。ムニュムニュとやわらかい。「ちょっと待った。北海道の麺は硬めで、コシがあって……」。おいおい、あんた、さっきからうるさいなぁ。そういうのは別のところで言ってよ。いいんだよ、ぼくたちはこれがいいの! 言っとくけど、創業は昭和45年ばい。愛され続けとーわけよ、博多っ子に。店名は「どさんこ」やけど、看板裏返したら「博多っ子」って書いてあるとばい、嘘やけど。
チャーハンの米の硬さは日本一
で、必ず頼んでほしいのがチャーハンである。この店のチャーハンの米は、日本一硬めに炊いてあると、ぼくは考えている。この硬さがなんともクセになる。ああ、その歳になるとラーメンとチャーハンはさすがに多すぎるよね。わかる、わかります。大丈夫です。チャーハンは半分でもオーケー(半チャンと呼ばれている:300円也)。トクミソ、ハンチャンで950円ね。初めての方はこれで決まり。
フライパンを振る店主の顔や所作、そして声が、どんどん先代に似て来るのを見るのも、この店を訪れる楽しみになっている。そうか、ここにも30年近く通っているのか。あとね11時15分に開店するところも気に入っている。行列が嫌なら開店をねらうべし。
ライター
鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。
■店舗情報
店名 | 川端どさんこ(かわばたどさんこ) |
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ジャンル | ラーメン |
TEL | 092-271-5255 |
住所 | 福岡県福岡市博多区上川端町4-229 |
交通手段 | 地下鉄中洲川端駅及び西鉄バス川端町バス停より徒歩6分 キャナルシティ博多バス停より徒歩3分 地下鉄空港線ならびに貝塚線「中洲川端駅」5番出口から徒歩約5分 中洲川端駅から313m |
営業時間 | 11:15~19:55 ランチ営業、日曜営業 |
定休日 | 火曜・第3月曜 |
