旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

宅配居酒屋に変身した福岡の人気店『竹乃屋』の「焼き鳥セット」でレッツ、自宅で焼き鳥パーリー!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

  2020/04/16   ※記事公開時の日付です

博多のおじさんたちの苦境を救え!

焼き鳥は自宅ではできない料理である。だって、そうでしょ。炭、おこしますか。タレ、つくりますか。肉、串に刺しますか。

 

百歩譲って、やったとしましょう。でもね、焼き鳥を上手に焼くって、実はすごく難しい。ちょうどいい塩梅にならないんだ。どうしても店で食べるみたいにはならない。でもって、ちょっと目を離した隙に串が焦げて折れたりする。めげるよ。

 

いや、だから自分でつくる必要はないのだ。博多に暮らしているならば、職場や自宅の近くに、必ずと言っていいくらい安くて美味しい焼き鳥屋があるもの。そこにいけばいいんだもの。

 

ところが、である。自宅にいなければならない昨今、博多の人は切実に思っているのだ。「ああ、焼き鳥が食べたい」と。しかし、あわれ、外出はできない。「すまなかった、バラ(豚バラの意)。おまえがいないと、俺の人生は真っ暗だ」「ごめんね、砂ずり(砂肝の意)。ぼくにとって君がこんなに大きな存在だったなんて」と、博多のおじさんたちは月を見上げて連日連夜、泣いているのである。

 

そこに登場した救世主が、竹乃屋の「焼き鳥パーティセット」である。セットはいくつかあるので、詳しくは後からオンラインショップを見て、じっくり検討してもらいたい。ぼくが選んだのは、

 

「博多ぐるぐるとりかわ+Aセット」(税込8,100円)

 

である。送料無料というのもうれしい。

 

さっそく段ボール箱を開けてみる。二つ箱が入っていて、一つは「とりかわ」20本で、もうひとつは、そのほかの串が合計30本入っていた。

どうですか、このボリューム

あらためて、「博多ぐるぐるとりかわ+Aセット」の内訳はこうだ。

 

【7種:合計50本】
・博多ぐるぐるとりかわ×20本
・豚バラ(塩)×5本
・豚タン(塩)×5本
・シマ腸(タレ)×5本
・鶏トロ(タレ)×5本
・鶏ハラミ(タレ)×5本
・豚味噌漬け×5本

 

ほうほうほう、これはなかなかの量ですぞ。まあ、50本だもんね。値段は単純に割って、1本あたり162円。5人で食べることを考えると、一人10本で1620円。結果から先に言うと、これは値頃感がある。食べてみたらわかる。10本って、実はけっこうな量なのだ。

 

ちなみに届いたのは4月15日で、賞味期限は7月13日だった。少人数ならば、そのまま冷凍しておいて、数回に分けて食べてもいい。

湯煎ですぐに食べられる気軽さ

じゃあ、調理に入ろう。調理と言っても、やることはそれほどない。鍋に湯を沸かす。で、その間にキャベツを手で一口大にちぎる(キャベツはセットには入っていません)。これね、間違っても包丁で切っちゃだめだ。焼き鳥のキャベツは手ちぎりじゃなきゃならない。博多の掟と言っていいだろう。

 

酢ダレは塩味を強くしないことがポイントだ。砂糖も控えめにね。

 

まだ湯が沸かないので、酢ダレも作ってみるか、と思い立ち、記憶の味を思い出しながら、ペットボトルにあれとこれと、それを入れて、シェイク。あまりにそれっぽいのができて、我ながら驚く。

 

博多のスタイルを知らない人のために説明しておくと、このキャベツ(ほとんどの店で無料)に酢ダレをかけて付け合わせにするのが、博多の焼き鳥のスタンダードである。気分を盛り上げたいならば、この一手間は惜しまないでほしい。

 

そうこうしているうちに湯が沸騰。冷凍状態の袋のまま焼き鳥を入れて、7分間ゆでる。ハサミで袋を開けて盛りつける。以上、調理、終わり。あっという間だ。

 

オーブンか魚焼きグリルで約3分焼くと、さらに美味しいと書いてあるし、それはもう間違いないのだけれど、「ズボラがしたい」というのも注文した理由である。あえて、そのまま食べることにした。

キャラがたった6種のネタたち

今回は2陣に分けて温めてみた。

 

やっぱり熱々で食したいので、温めはこまめにしたほうがいいだろう。

 

「豚バラ(塩)」。

 

見た目、白っぽくて大丈夫かと思ったけど(だから炙れと書いてあるわけですが)、いやいやどうして、しっかり豚バラ。もちっとした歯ざわり。にじみでる脂の濃い旨味。豚肉独特の香り。やっぱり博多の人間はこれがないと焼き鳥は始まらない。

 

「豚タン(塩)」。

 

けっこう個性の強いのをラインナップに入れてきたな、と。むむむ、硬い。これ、しっかり火が通ってないといけないからだろうな。店の食感とは違う。が、待てよ。この硬い肉をシギシギと噛むだに、奥から旨味が出てきて、なるほど、これはこれで一つの発見であった。

 

「シマ腸(タレ)」。

 

ここで牛の登場だ。脂の甘味、味の濃さ。パンチがある。熱いうちに食べてほしい。焼き鳥という感じはしないけど、うん、シマ腸はもつ鍋のように煮るのもいいが、やはり焼きがうまいし、串1本という量も、ぼくにはちょうどよかった。

 

 

「鶏トロ(タレ)」。

 

鶏の肩肉のことだ。胸肉よりは少しジューシーで、もも肉よりはあっさりといった部位。その特徴が甘辛いタレでよくいきている。食べやすいので、お子様に人気だろう。

 

「鶏ハラミ(タレ)」。

 

これは横隔膜。モツでありがら、肉っぽいというのは、牛のハラミと同じだ。ほどよい肉感。でも噛み心地はホルモン。大人の味だ。

 

「豚味噌漬け」。

 

ああ、これはもうね、鉄板です。味噌を焼かれてしまうと、そりゃもう、日本人だもの、酒が進む。これも本当はちょっと炙ると、さらに香りが立っていいだろうな。

 

 

あのサクサクの真打ち登場

 

さて、いよいよ、「ぐるぐるとりかわ」だ。もう、いつの間にか、博多の焼き鳥の代表みたいになった、このスタイルの鶏皮。

 

しっかりと焼こう。「焼きすぎかな」くらいでちょうどいい。

 

こちらは他の焼き鳥群と調理の仕方がちょっと違う。まずは冷蔵庫で解凍。8時間が目安と書いてある。中火で熱したフライパンで3〜5分焼く。レンジでも温まるだろうけど、このタイプは表面がサクサクになって、スナック感覚になるのが真骨頂だから、絶対に焼いてほしい。

 

20本がね、ええ、見る見るうちになくなっていきますよ。これ、実際、一人何本くらい食べられるものだろうか。いやはや、どうしてもエンドレスサイクルに入ってしまいますなあ。もちろん、そのサイクルの中には、焼酎が組み込まれている。カワ、サクサク、ショウチュウ、ゴクゴク、モチモチ、ゴクゴク、サクサク、ゴクゴク……。

 

店気分を味わうための、ちょっとした演出。

 

ポテトサラダとか、ナムルとか、実は副菜も少しつくったのだけれど、食後の満足感はやはり「肉を食べた」という実感によるものだ。よく酒も進んだ。焼き鳥だから、もうこれは仕方がない。むしろ、このセットが届いた日くらい、大いに飲もうじゃないか、友よ!

 

炙ったほうが絶対うまいけれど、そうじゃなくても、どの品も合格点のハードルを超えてくる安定感は、さすが竹乃屋だ。でもね、作戦を考えた。次に注文するときはテーブルにカセットコンロを置いて、魚焼き用の網で軽く炙りながら食べることにしよう。

 

 

あり得ない異次元のサービスチケット

 

気前が良すぎるだろう。これ、ほんとに大丈夫なんですか?

 

最後に重要な情報を。8,000円以上の商品を購入すると、竹乃屋グループの店舗で利用できる6000円分のチケットがついてくる。期限は来年の3月末なので、アフターコロナに利用しよう。しかし、8,000円で、6,000円の商品券って、もはやクレージーな大盤振る舞いだ。

 

それにしても、新型コロナの感染拡大が深刻みを帯びてから、わずか数週間で、こんな新事業を素晴らしいクオリティでスタートできるなんて、やっぱり竹乃屋はすごい。底力がすごい。脱帽、最敬礼、ひれふします。

 

竹乃屋オンラインショップ
https://takenoya.easy-myshop.jp/

 

元木哲三

ライター

鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。

 

関連記事
Related article