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大名紺屋町通りのタイ料理「ガムランディー」でバイカパオのランチ(耳で食べる話) ガムランディー(中央区大名)

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  2020/02/16   ※記事公開時の日付です

耳で食べる

一人で食事に行くときは、音楽を聴きに行ってるんじゃないかと思う。せわしない厨房の音、注文を取るスタッフの声、まわりのテーブルから聞こえてくる会話、エトセトラ。目で見える光景と食欲をそそるにおいに混ざって、音がその空間をつくっているのだとしたら、それらの音はひとつとして欠けてはならない。たとえそれが雑音であってとしても、だ。

 

祝日の正午過ぎ、大名紺屋町通りの「ガムランディー」。入り口から階段を降りると、奥のほうから「サワディーカー」だ。タイ語で「こんにちは」。地下の薄暗い店内での、この異国感がたまんない。

 

さっとカウンターに荷物を置いて、マフラーとコートを脱ぐ。その間、テーブルの上にあったメニュー表を左手で開いて、何を食べるかイメージをふくらませる。鍋をふりながら炒めものをする音が、空腹の脳と体を刺激する。料理人どうしはタイ語で話している。食べたいのはいつもだいたいこれだ。バイカパオ、鶏肉のバジル炒め。

ランチはサラダとスープも付いて830円

 

食べている間にも聞こえてくる厨房の音が気持ちいい。カッカッカッ、と中華鍋みたいに底の深い両手鍋で、店主らしき男性のシェフが何かを炒めている。調味料を入れて、ジュワワワワワという音と湯気が立ちこめる。隣にいた女性のスタッフが大量のもやしの入った皿を渡す。わかった、パッタイだ。

 

ナンプラーの焦げる香ばしいにおいがふわりと香ったすぐあとで、シェフはお玉を置いた。そのパッタイはどのテーブルに行くのか。バイカパオにのった揚げ玉子をスプーンで割って、流れる黄身を見つめながら耳を澄ませた。

※記事の内容は取材時点のものです。

安永真由

ライター/ディレクター

ラーメンやうどんなど麺類を愛する。ほかにはカレー/卵料理/純喫茶/洋食/古い店/お酒全般。辛いものを食べるときは汗だくになります。

 

■店舗情報

店名 ガムランディー
ジャンル タイ料理
TEL 092-716-5554
住所 福岡県福岡市中央区大名1-1-20 南風ビル B1F
交通手段 西鉄福岡(天神)駅から徒歩約10分、西鉄バス「警固一丁目」停より徒歩約2分
営業時間 11:30〜15:00、17:30〜23:30、[土・日・祝]11:30〜16:30、17:30〜23:30(LOは各30分前)
定休日 なし

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