旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

子羊に糸島豚に鴨…肉料理に至福の時間!おひとりOKの気軽なビストロ Bistro Un Verre ビストロ アンヴェール(中央区高砂)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

  2019/07/23   ※記事公開時の日付です

肉はもう、少しでいいんです。
だからこそ、おいしいものが食べたい。
食べたあと、胃がずっしり重くないのがいい。
翌日も元気に肉料理を食べられるくらいが好み、
それが、アラフォーの胃袋です。
そんなわがままが全部叶ってしまいました。

2018年11月にオープンした
Bistro Un Verre(ビストロ アンヴェール)。
フレンチの名店「ラ・ターブル・ド・プロヴァンス」や
肉料理で有名なビストロ「ロベール・エ・ルイーズ」で
働いていらっしゃったシェフが独立して開いた店です。

店内にはカウンター席があり、ひとり客も多い。



アラカルトでオーダーされるお客が約7割。と聞くと、ふらっと行けちゃう。


アラカルトは1000円以下のメニューも多く
「ポテサラ?」(500円)や
「子羊と豚肉のパテドカンパーニュ」(850円)、
「砂肝のコンフィ新ジャガの香草バター」(800円)で
さらりと飲むのもいい。
ポテサラに「?」がついているのは、
マヨネーズを使っていない、さっぱりとした
ポテトサラダだからとのこと。
さっぱり。アラフォーにうれしい響きです。

カトラリーレストがボルト風。


しっかり食べたい時はメインのココット料理(1500円から)や
桜島鶏モモ肉コンフィ ジャガイモのピュレ添え(1600円)
などがあります。

が、この日はコースがお得に味わえるチケット(期間限定)を
事前入手していました。普段のコースは5000円から(前日予約)。

口に運ぶまで味が全く想像できない

まずはお通しのピザです」「え?ピザ?」


「生地に炒めた玉ネギとオリーブとアンチョビを
のせて焼いています」と教えていただきました。
知っているピザと形状も具材も違う。
温かなパイ生地にじっくりと炒めた
玉ネギの甘味、アンチョビとオリーブの塩気。
スパークリングワインが進みます。

前菜はヤリイカの炙り、ガスパチョとクスクスのサラダ。


やわらかなヤリイカの下にクスクスがいます。
トマトのソースが素晴らしくさっぱりしていて、
なんて爽やかな前菜でしょう。
梅雨時期にぴったりです。
よく冷えた皿は波佐見焼とのことでした。

自家製ハーブのパン。


ローズマリーが香るパンはふんわりときめ細かな生地。
ひきもあって、あっという間になくなってしまいそう。

組み合わせの妙が光る肉料理の数々

子羊のタンスモーク ビーツのソース。お皿は小石原焼だそうです。


子羊のタンはしっとりとやわらかく、
上にのったマスタードソースと
焼きなすを叩いてトマトと和えたマリネ、
ビーツのソースと一緒にいただきます。
ラム独特の香りは控えめで、
キリッとしたマスタードと、
まろやかなナスのマリネとの相性が絶妙です。
スパークリングワインを合わせると
ラムっぽさが強めに出てしまうので……

オレンジワインに切り替えました。



店内にはワインセラーがあり、シェフも一緒に選んでくれます。


キリリとした飲み口が合う!
接客もするわ、料理もするわ、ワインも選ぶわ、
シェフ大活躍。一人で切り盛りされているそうです。

糸島豚のココット。4人で取り分けクスクスを添えていただきます。


にんじんやパプリカなどの野菜、
すじ肉を煮込んだ旨味しかないスープに
ローストした糸島豚を加えています。
脂をほんのちょっとまとい、甘味を感じる糸島豚は
低温でじっくり焼き上げたと思われるみずみずしさ。

辛みと酸味のある特製ソースを混ぜながら味わいます。


けっこうなボリュームなのに
あっという間にいなくなった豚。
野菜がたっぷりで、肉と野菜のバランスが
アラフォーの胃袋に心地良いのかもしれません。

鴨肉のロースト 黒ゴマとコーヒーのバター。


「皮目にコーヒーとゴマのバターを塗っています」
と聞いて全然味の想像がつかなかったこちら。
新生姜のソースとともに味わうと……。
コーヒーって料理を引き立てるんだと驚きました。

飲み物のコーヒーとしてでなく、素材としての存在感がすごい。


ほろ苦さがコクのある新生姜のソースと合わさって
しっかりとした肉の旨味を感じる鴨を引き立てています。
バターにはほかにベーコンやエシャロットなどを
使っているそうです。味わいが重層的。
そして鴨肉もこんなに分厚いのに
やわらかさとしっとり具合を保った焼き加減が見事です。

最後はエスプーマを使ったティラミス。有田焼で。


エスプーマ、自家製のはちみつアイス、そして
ほろにがいスポンジが重なるティラミス。
おかわりできるくらい、控えめな甘味がいい。
これだけ肉を食べているのに、
おなかいっぱいでもするすると入る。
そういうコース構成で幸せな気分でした。

飲み物はスパークリングのボトル、
オレンジワインのボトル、グラスワイン1杯、
コーヒーや紅茶4杯で約12000円。

この日のようにグループで行っても楽しいし、
カウンターがあってアラカルトで頼めるから、
一人でも気楽に行ける。
シェフがとっても気さくで、これは?これは?と聞いたら
たくさん話してくれます。
器も大好きだそうで、焼きもの好きだと話が弾みますよ。
しかも肉料理の満足感といったらない。
一人でもきっと楽しく飲めるだろうな。

そう思ったあったかいビストロでした。

奥永智絵

ライター・エディター

福岡市で活動するライター・エディター。酒が進むアテ、気さくな会話、心地よさが好物のアラフォー。

■店舗情報

店名 Bistro Un Verre(ビストロ アンヴェール)
ジャンル フレンチ、ビストロ
TEL 092-231-0695
住所 福岡市中央区高砂2-12-29 エステート高砂1F
交通手段 西鉄平尾駅から徒歩6分
営業時間 18:00~24:00
定休日 木曜

関連記事
Related article