旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

完全予約制&不定期営業。店名のない「謎のカレー屋」があるというウワサを聞いて……。 ???(福岡市)

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  2019/06/09   ※記事公開時の日付です


辛さ1倍か39000倍しか選べない謎のカレー屋

福岡のどこかに、1倍か39000倍しか辛さを選べないカレー屋さんがあると知人から聞いた。店の住所も電話番号も不明。しかも、39000倍とはどんな辛さなのか。さらなる情報をたぐりよせ、どうにかしてコンタクト先をつかんだ。

 

開店は不定期で、一度来た客はメールで連絡を受けて来店の予約をするスタイルの、まさに「知る人ぞ知る」店。メールのやりとりで日時と希望のカレーを伝え、あとは指定の場所へ行くのみ。当日を心待ちにして、いろんな想像を膨らませる。

 

何の変哲もない、あるマンションの一室。扉を開けると、中に立ち込めるスパイスの香りがふわりと鼻をかすめ、食欲を刺激する。ただでさえ空腹。そのうえカレーとくれば、考えるだけでよだれが止まらなくなる。

好きなカレーを2種選ぶ

知人に聞いたとおり、カレーは2種のあいがけスタイル。好きな組み合わせを選んで、それぞれ1倍か39000倍か、辛さをリクエストする。

頼んだメニューの「○」を消していく

 

カレーの種類は日替わりで数種ラインナップされているが、メニュー名には「カレー」の文字はない。いったいどんなカレーが出てくるのか。思い切って店主に聞いてみると、ものすごくていねいに、気さくに答えてくださったのですっと緊張がほぐれた気がした。

 

そもそも、39000倍とは何なのか。すごく気になるが、もう少し店主と打ち解けてから聞くのが良いだろう。本来ならば39000倍の辛さに挑戦したいところだが、午後の原稿執筆に備えて2種どちらも「1倍」で注文してしまった私を、店主はゆるしてくれるだろうか。そんな心配をしながら、カレーができるのを待った。

 

1対39000

 

私が頼んだ「スペアリブ」(手前)と「ビーフシチュー」(奥)。付け合せには野菜のピクルスが付く。

華やかな見た目!

 

「スペアリブ」は、まず華やかなスパイスの香りが嗅覚を刺激する。口に含むと、野菜の旨みに肉の旨み。香辛料からくる複雑な味わいと、素材の味、さらにソース酸味がバランス良く重なりあい、食べるうちに高揚感でいっぱいになった。

 

「ビーフシチュー」は、まるでビーフシチューのようにコクがあり、芳醇な味が広がっていく。カレーらしい味のあとにやってくるのが、デミグラスソースのような濃厚さ。これほど絶妙な味の設計はなかなかできないと思う。これまで食べたことのないのに、次に来たときは確実にリピートしてしまうだろう、魅力的な味だ。

汗との戦い

一緒に行った元木さんはなんと、どちらも辛さ39000倍で「ハーブグリーン」と「軟骨麻辣」を頼んだのだった。ああ、挑戦者!

(私は自分が情けなくなったが、この判断には決して後悔はしていない)

チキンがたっぷり

 

東南アジアらしいグリーンカレーと、中国的な麻辣の出会い。こんな邂逅はめったにないことだと思うけど、食べるそばから汗が吹き出てそれどころではない。食べられる、けど暑い。鼻の頭から、目の下から、額から、とにかく汗が止まらなくなる。それもそのはず、この「39000倍」には、激辛唐辛子「キャロライナリーパー」の粉末が使われていたのだ!

 

これが辛さの犯人

 

首筋を通って流れ落ちる汗を、タオルハンカチでキャッチする。私の場合、辛さとの戦いは汗との戦いと言い換えてもいい。

 

一方、「これくらいは大丈夫」と言ってあっという間にカレーを食べてしまった元木さん。元木さんの顔には、汗の一滴さえたれてこなかったので、私は自分の汗がさらに恥ずかしくなった。

※記事の内容は取材時点のものです。

安永真由

ライター/ディレクター

ラーメンやうどんなど麺類を愛する。ほかにはカレー/卵料理/純喫茶/洋食/古い店/お酒全般。辛いものを食べるときは汗だくになります。

 

■店舗情報

店名 (非公開)
ジャンル カレー
TEL なし
住所 (非公開)
交通手段 (非公開)
営業時間 (非公開)
定休日 不定

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