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博多めん街道の『ShinShin』で「激辛ちゃんぽん」に謝罪した話 ShinShin 博多デイトス店(博多区博多駅)

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  2018/12/08   ※記事公開時の日付です

 

豚骨ラーメンと屋台料理で人気の『博多純情らーめんShinShin』は、福岡市内に4店舗をかまえる、今や押しも押されもせぬ人気店である。英字を使った店名はポップな感じだが、その深みのあるスープは、ラーメン愛好家の間でも評価が高い。今回は博多駅の店で『激辛ちゃんぽん』を初体験する。

どうせラーメン店の辛い麺料理だろうよ

昼時、博多駅で辛いものを食べようと思ったら、いやまあ、これがけっこう困る。天神エリアに比べると、驚くほど少ないのだ。

 

気のせいだろうか、と思ったりもするが、たぶんこれ、事実だと思う(反論、情報求む)。

 

なぜだろう。その理由を考えながら、同時に脳内で「博多駅 辛いメニュー」で必死に検索する。

 

あ、あった。「博多めん街道」にあるラーメン店『ShinShin 博多デイトス店』に「激辛チャンポン」というメニューがあったことを思い出したのだ。

ほらね、「多ちゃんぽん」の項目に確かにあった。

 

 

 

しかし、である。

 

ラーメン店の辛いメニューなど、まあ、期待するほうがおかしい。「激辛」なんて言っておいて、チャンポンの上に「自家製辛みそ」とかなんとか適当に名前をつけた、豆板醤とコチュジャンを混ぜたようなものがのっかっているだけ、みたいなものなんだ、せいぜい。

当たり前だけどイチオシはラーメンだ。

ゲキチャン一丁!

さすが人気繁盛店である。11時半だというのに、もうけっこうな行列だ。ぼくは並ぶのが極端に苦手なので正直、怯んだが、とりあえず並んでおいて別の店が思いつかなかったら……などと考えているうちに、カウンター席に通された。回転は速い。

メニューはこんな感じ。

 

 

ちゃんぽんに皿うどんもある!

 

 

 

夕方だったら390円シリーズで飲んでたな。

 

 

 

「激辛ちゃんぽん」(850円)だけじゃ、話が持たないだろうと思って、ランチの「半焼きめし」セットにしようと注文したが、これはプレーンのちゃんぽんだけしか対応しないのだという。単に値段が上がった分をプラスすればいいだけなんじゃないか、と思ったりもするが、こういう理不尽は嫌いではない。

 

「うん、じゃあ、まあいいや。激辛ちゃんぽんをお願いします」

 

「あーりやとあーす。はい、ゲキチャン一丁!」

 

ゲキチャン。なにか自分の注文したものが、別物になった気がする。メニューを見ると、「とまちゃん」(880円)や「すきちゃん」(930円)と初めから縮められているものもある。

 

なるほど、これなら「トマトちゃんぽん」「すき焼きちゃんぽん」という元の形が想像できるけれど、「げきちゃん」では何のことやらわかりませんからね。

待っている間にちょうどいいと思ったが、瞬間的に「占い師」という答えが浮かぶ。なぜ、こんな時にだけ頭が冴えるのだろう。

パワフルなオレンジ野郎にごめんなさい

などと考えている間にやってきた。どうだろう、これがゲキチャンだ。

「なめんなよ!」って聞こえたのは空耳か。

 

 

 

ほう、いい意味で想像を裏切ってくれた。スープの色からして、なかなか辛そうである。白濁スープに赤が混ざって、濃いオレンジ色だ。

やっほー!辛みを予想して細胞が喜びに震える。

 

 

 

さて、スープを一口。うむ、野菜の甘みが溶け込んだ、まろやかな豚骨スープの向こうから、やってきました唐辛子。すぐに舌が燃えはじめます。

 

やるじゃないか、ゲキチャン。勝手に過小評価していて、ごめんよ、ごめん。周りの人にはわからないだろうが、ぼくは心の中で何度もゲキチャンに謝った。すこぶる真摯に。

 

で、恒例になりました、5段階評価ですが、辛さ3.4。わかりやすいように言っておくと、ぼくはココイチの3辛が2.5くらいだから、ここから類推して欲しい(難しいか)。ともあれ、ゲキチャンは3.4。

 

野菜はくったりと炒められていて(ぼくは「シャキシャキのほうが好きだけど、しっかり炒められているのも、それはそれでいいよね派」です)、ピンクのかまぼこと、小さなゲソもうれしい。

麺は良い意味でとてもスタンダード。

 

 

 

そもそも豚骨スープと言いながら、鶏ガラの味がしっかりと効いたスープ。この鶏の香りとトロッとした口当たりはちゃんぽんスープとしても、とても良い塩梅だ。辛いかどうかを抜きにして、ちゃんぽんとしての実力、総合力が高いと、ぼくはそう思う。

卓上の唐辛子オイル漬けを見逃すな

辛い物好きの目の前に、こんなものを置いてちゃダメです。

 

 

 

果たして、ここで終わらないのが、辛いもの好きの性である。おそらく餃子の薬味として置かれているのであろう、唐辛子のオイル漬けから、赤いやつをごっそりすくいあげ、ラスト3分の1のゲキチャンに投入する。

隣の中年男性はこれをおにぎりにまぶしていた。手練れだ。

 

 

 

香ばしさと甘み、そして、もちろんだが辛味が加わって、ああ、丼と口を行き来するレンゲが加速します。最後の一滴まで平らげて、「ふーっ」とついた大きなため息は、たぶん少しだけ赤かったと思う。

元木哲三

ライター

鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。

 

■店舗情報

店名 ShinShin 博多デイトス店
ジャンル ラーメン、麺、激辛
TEL 092-473-5057
住所 福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多デイトス2F「博多めん街道」
交通手段 博多駅に直結
営業時間 11:00~24:00(L.O23:30)※土日祝は10:00~
定休日 なし

 

 

 

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