
創業35年!西鉄二日市駅そばにある古い中華料理店「大京園」のことを好きになってしまった。 大京園(筑紫野市二日市中央)
西口から線路沿いに
西鉄二日駅の西口を出たら
ちょっとした飲み屋街がある。

ラーメン店や居酒屋が多い
そのまま線路に沿って南に下ると
昔ながらの路地が
見えないところまで続いている。

ストリートアート
「あら、久しぶりね」と眼の前の中年女性。
視線の先には、背中の曲がった白髪のご婦人。
おだやかな正午過ぎだ。
中華料理店は古いに限る。
もはや、古いだけで良い。
そしてこれが「大京園」。
どうだ、文句はあるまい。

遮光ガラスで中が見えにくい!
哀愁を感じる店内
店構えの風情、店内の雰囲気、客層。
間仕切りにかけられた『西スポ』。

ちょっぴりモダン
これだよ、これこそ私の求めていた
古い中華料理やさんだ……。
調べてみると、創業は1983年らしかった。
思ったより新しい。

1人用の特等席がある
昼時だというのに
近所のご年配が集まり
あの人は信用できるとかできないとか
他愛もない世間話とか
とにかく雑多な話をしている。

1人では4人用の座敷席を持て余してしまう
注文という名の試練
初めての来店では何を頼むべきなのか。
お昼のセットもあったけど
どうもそうではない気がする。
メニュー表の表紙には
「エビのチリソース炒め」
「すぶた」
「大京麺」

ラーメン丼のかたちに合わせた丸抜き!

710円と720円、微妙な違い
おかず+麺or飯か。
それならおかずをHサイズで頼めば
2品くらいいけるか。
待てよ、「はるまき」「ぎょうざ」あたりなら
もう1品いけるかもしれない。
麺類なら店名のついた「大京麺」にすべきか。
などと考えているそばから
正面に座った常連客らしい初老の男性が
「皿うどん」と即決。
ここは「皿うどん」なのか?
ご飯類ならチャーハン(H)だろう。
これは簡単な選択だ。
コーンスープも気になるけど
チャーハンにスープが付いているので
汁でたぷたぷになってしまう。
ああ、そうこうしているうちに
私よりずっと後に入った
斜め前の中年男性3人組が注文を始める。
「定食」「定食」「皿うどん」。
最後の1人はきっと隣の男性に影響されたのだ。
マジョリティの波にのまれなかった
賢者の選択に、心の中で拍手を送る。
ついに店員さんが私のところにも
注文を取りに来たので
チャーハン(H)と大京麺をお願いした。
スープが重複するのはさておき、
どうしてもチャーハンを食べたくなった。
きちんと正座をして座る
おじさんたちを意識しながら
待っている間は失礼して足を崩そう。
料理が来たら本気を出そうと決心する。
チャーハンと中華そば

小エビ入り
最初に来たのはチャーハン(H)だった。
玉子、小エビ、ネギ、
かまぼこ、グリーンピース。
ネギとかまぼこは
お米と同じくらいの大きさにカットされ
玉子も良い塩梅でご飯に絡んでいる。
塩コショウはひかえめで
醤油の味がじんわりと染み出し
かまぼこの旨味がしっかりと
味を支えている。
あれ、よく見ると
もしかしてこれはカニかまか
魚肉ソーセージ……?

気になる存在
薄いピンク色の具の正体は何だろう。

ラーメンは520円。良心的な価格だ
「大京麺」は「中華そば」と
メニュー表に()で追記されているように
福岡市内ではあまり見られない
醤油ベースの透き通ったスープだ。
ゆでもやし、ほうれん草、メンマ、
白ネギが入り、もやしの下に
チャーシューが隠れている。

あ、どうも、こんにちは
女将さんに聞いてみると
チャーシューは自家製で
もも肉を醤油やお酒に漬け込み
数日寝かせて作っているらしい。
「実はかなり手間をかけてるんですよ」
確かに、この味は他にはない。
独特の甘みがある中国の調味料と
酒の味がする。

おじさんたちの会話がBGM
クセのない中華麺だからこそ
具とスープの味が引き立つ。
決して華やかではないけれど
もやしやほうれん草のゆで加減や
白ネギの切り方、チャーシューを見ると
実直できちんとした方が
店主なのだろうと伝わってくる。
スープをひとくち、またひとくち。
ズズズ、ズズズ。止まらない。
チャーハンに入っているピンク色の具の正体は
「赤色のソーセージ」とのこと。

そうだったのか!
ああ!
赤色のソーセージ!
それなら大好きですよ!
※記事の内容は取材時点のものです。
■店舗情報
店名 | 大京園 |
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ジャンル | 中華料理 |
TEL | 092-925-5393 |
住所 | 福岡県筑紫野市二日市中央4-12-8 |
交通手段 | 西鉄二日市駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~15:00、17:30~20:30(L.O) |
定休日 | 毎週水曜、第3日曜 |
