旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

ドキドキ、わくわく。その感情の価格は? PALOMA+1 GASTROBAR(中央区今泉)

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  2016/02/09   ※記事公開時の日付です

※閉店しました

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「食べる」という行為はとてもエキサイティングだ。

おいしいことは当たり前。おいしい、うれしい、楽しい。私たちは「食」にたいして実に多くのことを求めるようになった。

ここはまさに、そんな欲張りなグルメたちが日本全国から集まる実力店だ。「食はエンターテイメント」と掲げる店のグランドメニューから、「5つの味覚」というフィンガーフードをぜひご紹介したい。

まずなにより、見た目がかわいい。小さなリンゴに見たてた福岡八女産のトマト「はなひめ」に、食用のアリがじりじりとのぼっているという絵。

そしてこのメニューの醍醐味は、その名の通り5つの味覚、つまり、甘味、辛味、塩味、苦味、旨味のすべてが味わえるという趣向だ。まずはトマトをコーティングした水飴で「甘味」を感じ、みずみずしいフレッシュトマトの「旨味」がじゅわっと広がる。ラルドン塩の「塩味」がやってきたかと思えば、スリランカ産の胡椒の「辛味」が鼻に抜けてくる。

トマトのヘタのようにあしらったローズマリーの「苦味」は、香りとともにアクセントになってくれる。舌が忙しい。そして、味覚が刺激された結果、頭のなかもぐるぐると活発になるという実に複雑な味覚体験になるのだ。

味覚だけにはとどまらない。目で見て楽しむ「視覚」、小さな丸太の上にある赤い実をつまむときの「触覚」、ローズマリーやペッパーに刺激される「嗅覚」など、五感も存分に刺激されるから、舌も脳もよくわからないほど興奮してしまう。

しかしこの商品、実は1つあたりたったの140円。140円をはるかに越える楽しみがあるのに対して、あまりにも安すぎる。間違いではなかろうか、と思ってしまうくらいの価格設定なのである。
さて。もしこの「5つの味覚」の価格が未定で、あなたの言い値でどうぞ、なんて言われたとしたら、みんなどのくらいのお金を払っていくだろう。

「5つの味覚」は、味やポーションを越えた料理の広がりを私たちに教えてくれる。「食べる」ことの楽しさ、ドキドキ、わくわく。それはまぎれもないエンターテイメントである。

その価値は140円以上のものだろう、とささやかな罪悪感を秘めながら喜びをかみしめる、罪な一品。ぜひお試しあれ。

安永真由

ライター/ディレクター

ラーメンやうどんなど麺類を愛する。ほかにはカレー/卵料理/純喫茶/洋食/古い店/お酒全般。辛いものを食べるときは汗だくになります。

■店舗情報

店名 PALOMA+1 GASTROBAR
ジャンル ダイニングバー
TEL 092-715-0346
住所 福岡県福岡市中央区今泉1-3-13
交通手段 西鉄福岡駅・地下鉄天神南駅から徒歩8分
薬院駅から302m
営業時間 11:30~15:00
18:00~23:30L.O
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
定休日 不定休

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