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【動画あり】ステーキ蜂が師匠、肉汁大洪水のハンバーグ とふろうグリル(太宰府市通古賀)

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  2019/12/17   ※記事公開時の日付です

そのクライアントとの打ち合わせは普段なら天神だった。
が、この日は朝から、
西鉄・都府楼前駅近くの工房に出向いていた。

初めて歩く駅前。年季が入った定食屋に寿司店、
お好み焼店と、通り沿いにはいろんなジャンルの店がある。
立派な一軒家の洋菓子店からは甘い香りが漂い、
しばし足をとめた。

帰りは。

なんて思いながらクライアントの元へ向かう。
車の往来が多い幹線道路に出たら、もうすぐだ。

+++++

一通りの話が終わったのは正午ごろ。
朝ごはんを食べてからゆうに3時間以上は経っている。

おなか、減ったー……。

このシチュエーションは、アレだ

……はい、きた。
知らないまちで、仕事が終わっておなかが減る。
まさにドラマ「孤独のグルメ」です。
松重豊さん演じる井之頭五郎よろしく、
駅前通りに佇んでしばし黙考します。

朝に良い香りを放っていた洋菓子店は有名みたいだけど、
今じゃない。
うどんにそばに、洋食店。地元で人気そうだけども……。

今日は、ここ。「とふろうグリル」。
仕事前からちょっと気になっていたのです。

店名のかわいらしいロゴタイプと、ひらがな&カタカナの優しい字面が。


店に入ると、笑顔の素敵な女性が明るく出迎えてくれました。

ハンバーグにジャポネビーフ、佐賀牛バーグ

メニューはこちら。ジャポネビーフの見た目に既視感が……!


店名を冠した「とふろうバーグ」は
150g セット880円、単品760円で、
200g、150gダブル、パスタ大盛りがあります。
セットにすると、ライス、スープ、サラダ付き。

隣はジャポネビーフ。
なぜだろう、写真を見ただけで味を想像してしまうのは。
レギュラーはセット880円、単品760円で、
肉1.5倍、2倍、パスタ大盛りなど
ボリュームが選べるのはとふろうバーグと同様です。

ほか、梅ハンバーグや佐賀牛バーグ、
ハヤシライスもあって、
デミグラスソースがたたみかけてくる。

「とふろうバーグとジャポネビーフのどちらが人気か」
と、2択に絞って女性スタッフに尋ねたところ、
オーダー率は半々くらいだとか。
店主の師匠は「ステーキハウス蜂」らしいし、
結局「とふろうバーグ」をオーダーしました。

Q「なぜ都府楼に?」 A「なぜでしょう……」

そう、店主は佐賀県唐津市にあるステーキの名店
「ステーキハウス蜂」からハンバーグづくりを
指導されているんです。
あの、昼も夜も駐車場が満車になる人気店から。
数年前、崖っぷちの店の再起に密着するテレビ番組で
取り上げられたようです。
そうとは知らずに入ったので、
さらに期待が高まりました。

店内はナチュラルな雰囲気。1人客が多くいらっしゃいました。


それにしても、なぜ都府楼に店を。
疑問に思って店主に問うと、「なぜだったのでしょうね……」。
いろいろ、いろいろ場所は探したそうです。
でもここだった。
「ご縁があったんです」とおっしゃっていました。

そして五郎のタームがやってくる。

せっかくなので、孤独のグルメ風にレポート。

+++++

おや。
縦長だ。
いつもは横に置いてある紙のランチョンマットが
縦に置いてある。なぜだ。

しかも、箸の下にあるのは……。


箸置きは、いちごミルクキャンディか。
懐かしい。
こういう心遣い、好きだ。
おしぼりが良い匂いがするとか
食後の温かいお茶とか
店のサービスにはいろいろあるけど
箸置きを変えようというのは
なんだか店主の心遣いが感じられる。

そういえば、サラダは「ご自由に」と
女性スタッフが言っていた。
取りに行こう。

ドレッシングは2種類だ。シーザードレッシングと和風のごま。



まずは和風のごまかな。スープはチキンブイヨンの味。



醤油ベースにすりおろした玉ネギだろうか。
うん。とても安心する味だ。

せっかくだから、もう一つのドレッシングでも食べておこう。


クリーミーでいてさっぱり。
ところでシーザードレッシングのシーザーとはなんだろうか。
シーサーではないし……
ジュリウス・シーザーっぽいし……
後で調べておこう。

「駐車場ってどこにありますかね」
客が質問している。
女性スタッフは丁寧に答えていて、
とても感じがいい。

「ありがとう、ごちそうさま」
の言葉に対して
「気をつけていってらっしゃいませ」
と返している。

見送りの言葉に気遣いがある。
良い店に入った。
わくわくしてきたな。

そこに、店主が近づいてきた。

「間もなく鉄板が参ります。
こちらの白い紙の奥に鉄板を置かせていただきます」

なるほど、そういうわけか。
ソースがはねるから奥に置かないといけないし、
はねるから紙も縦に置いているんだな。
なるほど、なるほど。
それにしても、置く位置を伝えるとか、なんて丁寧な店主なんだ。



おおっ。
ソースが鉄板の上でジュワジュワと踊っているようだ。
濃いデミグラスソースが光ってなまめかしい。
そしてこの音、この音。
食欲が刺激されるんだよなぁ。

湯気とともに香りが押し寄せてきた。
香ばしくてたまらなく腹が減る。
付け合わせはパスタと、ゆでたブロッコリー、にんじん。
食べるタイミングが重要だ。

まずは一口。すごい、肉汁が次から次にあふれ出してくる……。


肉汁が洪水だ。
肉は軟らかく、玉ネギの甘味がしっかり感じられる。
ちょっとコクがあるのは、
なるほど、味噌を使っているからか。
デミグラスソースは甘めで、
とにかく優しいハンバーグだ。

肉。肉。そして野菜。
鉄板に残ったソースをからめとるように
パスタにまとわりつかせて、食う。
うん。
これがベストだ。

ごちそうさまです。

わいろ

ハンバーグがおいしくて、食後に感想を店主に伝え
しばらく話していました。
店主も、女性スタッフも終始笑顔が絶えません。
すごく気持ちも軽くなって、
ごちそうさま、また来ますと伝えて出ようとすると
「今日はありがとうございます。これわいろ」
と手渡されました。

あのキャンディを。


見送りの言葉は
「ありがとうございます、またお待ちしています」
でした。
いってらっしゃいませ、ではなく。
お客をしっかり見ているお店なんだな、
というのがひしひしと伝わってきて、
食事も美味しかったけど
それ以上に満足した気分で店を出ました。

奥永智絵

ライター・エディター

福岡市で活動するライター・エディター。酒が進むアテ、気さくな会話、心地よさが好物のアラフォー。

■店舗情報

店名 とふろうグリル
ジャンル 洋食、ハンバーグ、鉄板
TEL 092-923-6063
住所
交通手段 西鉄都府楼前駅から徒歩3分
営業時間 11:00~15:00、18:00~L.O.20:00(土日L.O.21:00)
定休日 木曜

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