
天神コア地下「味の正福」で”福岡の正解”胡麻さばを食べる。 味の正福 天神コア店(中央区天神)
2020年3月末に閉館が決まっている天神コア。
10~20代に人気のファッションブランドがひしめいている
「若者の聖地」です。
そんなコアの地下で43年間営業している、「味の正福」をレポートします。
あの並べない博多っ子が並んでいる
天神コア地下1階。
コスメ売り場やアパレルもあるフロアに

行列が長いときには通路(左側)に折り返す
なんだか昔なつかしいのれんがかかるお店があります。
時間は平日の昼過ぎ。
ウィークデーだというのに、
10人近くが並んでいます。
「博多っ子はせっかちやけん」
「並ぶんやったら他の店行くばい」と
博多のおいちゃんたちが言うのを何度も聞きましたが
そんなことをいかにも言いそうな
背広姿の男性もちらほらいます。
博多っ子を並ばせる正福さん、すごい。

土日祝は肉系メニューが出せないので注意
お品書きは表に貼り出されています。
待つ間、どれにしようかとウンウン唸るのです。
毎日新鮮な魚を仕入れる正福さん。
常時20種ほどが並びます。
大将の舞台に惚れろ!
待つこと約20分、席に案内されました。

ビジネスマンに買い物帰りのマダム、外国人観光客も
中央のコの字カウンターに立つ大将が、せわしなく話しています。
「はいこれ●番さんに。お母さんは今日何にするの。ぶたみそね、お願いしまーす。煮付け美味しかった?よかったあ。あれね、味が濃いときはね、水じゃなくて酒で薄めると柔らかくなってイイよ。そっちは?ウォーター?Water?ノー、ジャパニーズ、セイ、オヒヤ。おーい、ご飯できてますか?ちゃんと蒸らしてね」
話し続けながら、テキパキと魚をさばいていく大将。

こんな距離で調理を見られるなんて
私たちはカウンターの端。まな板の正面で大将をずーっと観察できます。
実はここ、2018年7月に発行された
BRUTUS福岡ガイド決定版『福岡の正解』の1ページ目を飾ったお店なんです。
これが福岡のスタンダード

ワサビものりもぜーんぶ混ぜて、と大将
ごはん、みそ汁、小鉢がついた「胡麻さば定」(1500円)。
プリプリと弾力のある生サバに
九州の甘醤油に濃厚な胡麻ダレ。
スプーン1杯はあったであろうワサビも、
タレの濃さにほんのり香りを残す程度に留まっています。
「ごはん足りた?」と大将。
足りないでしょう、たぶん。

焼き魚・煮魚には野菜の煮付けが付くのだ
こちらは「サワラ塩焼定」(1400円)。
パリッ!と焼かれた皮の下には、産卵直前で脂がのりきった身が。
溶けた脂がたらりとしたたります。
この大きな魚焼き器で大将がこまめに加減をチェックしているんです。
ああ、もう焼かれる香りだけでもごはんが食べられそう。
(このあたりで一度おかわり)

ふわふわ、ぷるーん
「玉子焼きハーフ」(280円)も注文。
薄味のおだしで味付けされた玉子焼きは
だし巻きの一歩手前、ふわふわと玉子の弾力の中間を
味わえる絶妙な焼き加減です。
はーーっ、大満足。
名残惜しいですが、まだ待っている方がいるので帰らねば。
すると。
大将「えー、帰っちゃうの?そのタレ、ごはんにかけたらいいのに」
!!!
そんなの……
そんなの………
「絶対美味しいじゃないですか!!!!!」
(と言いながら茶碗を渡す)

ちょこーっとくれました
引き留めてくれてありがとう、大将……。
「お茶いれときますねー」と、ホールスタッフさん。
あ。

これもがーっと混ぜて飲み干します
お茶漬けにしちゃお。
うーん!うまい!!!
胡麻の香りとサバの旨味が全身に染み渡ります。
魚の正解、お昼の正解、定食の正解。
『福岡の大正解』正福に、
また私は性懲りも無く並ぶのです。
■店舗情報

店名 | 味の正福 天神コア店 |
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ジャンル | 定食 |
TEL | 092-721-0464 |
住所 | 福岡市中央区天神1-11-11 |
交通手段 | 西鉄福岡(天神)駅より徒歩4分 |
営業時間 | 11:00~20:00(L.O.19:15) |
定休日 | 水、第1・3火、不定 |
