
【冬メニュー試食】わがままが言える“行きつけ”、ほしくないですか? 天茶房 仙頭房(中央区薬院)
大正通りでひときわ目を引くこの建物。

コンクリート打ちっぱなし×全面ガラス=おしゃれ。
旬の食材を使った天ぷらや創作和食が楽しめる
「天茶房 仙頭房(てんさぼ せんどうぼう)」です。
2018年11月でオープンから1年が経ちました。

木を組んだインテリアがスタイリッシュ。東京の著名な建築家の作品だそうです。
半個室がゆったりと並ぶ贅沢な空間の使い方とデザインに
「ふらっと気軽に行けない気がする…」と勝手に思っていました。
いや、ほんと、勝手でした。
冬メニューの試食会があると聞いて伺ったところ、
「使い勝手」の良さに驚いたのです。
せっかくだからオリジナルのアルコールを

最大6人座れるテーブル席。少人数でももちろん利用できるそうですよ。
ドリンクは生ビールが650円。ほか瓶ビール、ウイスキー、
ワイン、焼酎、日本酒とそろっています。
オリジナルドリンクもあって……

右からブラックティーレモンサワー(800円)、自家製レモンサワー(700円)、かぼすジントニック(700円)
どれも自家製のシロップをベースにしていてほんのり甘め。
特にブラックティーレモンサワーは紅茶の風味が強く、
レモンティーのようでした。これはぐいぐい飲めてしまう。
ほか天茶房漬け込み酒があり、柿、甘夏みかんなど
季節のフルーツを漬けているそうです。

天ぷら。うに、いくら、イベリコ豚と食材が豪華。
盛り合わせは1500円から、アラカルトだと1品150円から。
この天ぷらは食べたことがないぞ…という食材が並んでいました。
レア天や丸ごとカマンベール天って、どんなのだろう……。
ほか、お造り、蒸し物、煮物、揚げ物、飯物、汁物と、
和食をフルコースで楽しめるメニュー構成です。
鮮魚は常時6~7種類が用意され、
たとえば鯛刺しは650円。サワラ炙りおろしポン酢は850円。
安心できる価格帯だわ。
冬の新メニューは未知との遭遇

前菜5種。
普段は5種類の前菜をお通しとして出しているそうです。
季節によってメニューは変わり、
今日はさつまいものスープ、あん肝自家製ポン酢、
サバ昆布〆の白和え、水菜のおひたし、和牛コロッケでした。
ちょこっとずつ、いろいろ味わえるのは嬉しい!

こちらは刺し盛り2人前。

まぐろ、ぶり、鯛のお刺身3点盛り、6人前。
ガラス製のずっしりとした器に盛られた鮮魚。
テーブル席には迫力のある大皿で出されます。
天茶房 仙頭房では、前菜といい、刺し盛りといい、見た時の
「わあ!」という驚き、喜びを大切にしているんですって。
デートで行くと話も仲も盛り上がりそうです。

茶碗蒸しは、いくらとウニ、紀州梅と大葉。
上記の2種のほか、本日の昆布じめ、かにみそと、
茶碗蒸しだけで4種類あります。
だしの旨味を含んだ優しい味わいの卵に、
かつおの効いた紀州梅と大葉の風味は、おもしろい組み合わせ。
ファッションで言うならレースのスカートに
スタッズ付きのブーツをはくような取り合わせの妙があります。

天ぷらは大葉ウニ、松きのこ、下仁田ネギ、さわら昆布〆、蟹みそ、ブロッコリー。
大葉ウニは岩塩、松茸の風味がある松きのこはゆず七味、
さわら昆布〆は山椒塩…と、さまざまな塩で味わいます。

塩の器は特注の唐津焼。
松きのことは、松茸の風味のきのこ。
今まで知らなかった食材との出会いも楽しいものです。
それに、さわら昆布〆、ブロッコリーと天ぷらで食べたことのない
素材が味わえるのもおもしろい。
かにみそはぜひ、一口で。みそを余すところなくいただきましょう。

卓上には山椒塩、「せとか」のみかん塩、岩塩があるのでお好みで。
天ぷらは塩でいただく、というのがこちらのスタイル。
季節によって塩が変わり、以前はしょうが塩もあったそうですよ。
天ぷらによく合いそう。

器は油を吸わない木製のものを特注でつくっています。
そうそう、大葉ウニ。
岩塩をぱらりとかけていただくこちら。
崩れやすいので手で持ってひとくちで、と言われ、
大葉を両手指でつかみ持ち上げました。
そこからは、もたもたしちゃダメです。
一気に口に運んで食べるべし。
たぶん、両手で持ち上げるのも間違いです。
真ん中に荷重がかかり、大葉が折れて落ちますから。

ウニを下にして落ちていきました。
親指と人差し指で両端をつかみ、中指で下から支える、
というのが良いのではないかと思います。
ふたくちで食べようとすると崩れそうなので、
女性も思い切ってひとくちで。
普段あまり見ない、大口をあけた女性の姿を見られる、
貴重な一品です。
この冬の新メニューは2月くらいまで味わえますよ。
(旬が過ぎるとメニューからなくなる可能性もあります)
店長はあの名店の出身でした。

和牛カルビの肉じゃが(2人前1200円)。
「この肉じゃがは、たらふくまんまの系譜なんだよな…」
と目の前の上司から気になる言葉が。
席に立ち寄ってくれた店長・入江さんにご出身を聞くと、
やはり、春吉にあった和食の名店「たらふくまんま」で
修業されていたとのこと。
そして、とっても嬉しい情報を教えてくれたのです。
天茶房 仙頭房では「お客さまのご要望に応えたい!」
という気持ちがあって、
お客さまから「こんな料理はできないかな」
「こんなものが食べたい」と言われたら、
食材を見ながらメニューにない料理でもつくっているそうです。
「ゆで卵が食べたい」とオーダーされた時も、
ゆで卵ひとつをそのお客さまのためにつくったのだとか。
また、コース料理はお客さまの様子を見ながら
随時メニューや量を調節しているとのこと。
お酒をよく飲むならごはんは少なめに食材を豪華にする。
お子さま連れなら好まれる海老の料理を出す、など、
隅々にまで気配りが行き届いているのです。

厨房から、目配り気配りしているんですね。
「私のために」つくってくれる。
「私のために」気遣ってくれる。
この「私のために」があると行きつけにしたくなります。
実際にお客さまには近所の方も多く、
20代から80代まで幅広い年齢層の方がいらしているそうです。
平均客単価は5000~6000円くらい。
料理人の方々と会話を楽しみ、
天ぷらをつまみに酒を味わい、
ちょっとわがままが言える行きつけがある。
それが大人の愉しみ、じゃないかしらん。
■店舗情報

店名 | 天茶房 仙頭房 |
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ジャンル | 天ぷら、和食 |
TEL | 092-707-3883 |
住所 | 福岡市中央区薬院2-13-23 |
交通手段 | 地下鉄七隈線薬院大通駅から徒歩3分 |
営業時間 | 17:00~24:00(L.O.23:00) |
定休日 | 不定 |
