旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

博多焼き鳥ナンコツ劇場「野球鳥」編 野球鳥(中央区警固)

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  2018/09/16   ※記事公開時の日付です

これはもう、愛と執着のドラマ

 

どもども、焼き鳥は1晩25本までと決めている、くりしんです。

 

 

とにかく好きなんです。

 

 

焼き鳥屋さんに行くと必ず頼む。

 

カッパ、ヤゲン、ゲンコツ、豚舌、豚喉、豚バラ、牛ウルテ……ああ、なんこつ軟骨ナンコツ。

 

鳥豚牛でたくさん種類はあるんですが、メニューには「なんこつ」としか表記されていないパターンが多い。

 

そうそう、それと「軟骨」と表記されているところはほとんどなく、カタカナ表記もレアケース。

 

ひらがな「なんこつ」が業界のメインストリームなのねん。

 

じゃあ、なぜカタカナをタイトル周りとオープニングで使ったのか。

 

なんとなくカタカナが硬軟あわせ持った「ナンコツ」にはしっくりきませんか?

 

って、問いかけられても困りますわよねぇ。

 

 

カタイはウマイのか

 

 

さて、ここからが本題です。

 

「ナンコツ」には市民権が与えられる一方で、なぜ硬い骨「コウコツ」は商品化されないのか。

 

バカなことを思いついたものです。

 

でもね、焼き鳥屋さんで「売られない」答えはカンタンですばい。

 

 

串に刺せないから

 

 

洋食では提供スタイルとして「スペアリブ」はある。

 

あの骨の際肉というか、スジというか、いわゆる「アレ」は醍醐味ですよね。

 

んで、勢いで口に含み、骨をチューチューしゃぶってみたりもする。

 

でも、咀嚼はしない。

 

犬なら絶対にかみ砕く。

 

なぜヒトは噛まないのか。

 

答えは

 

 

偉くなったから

 

 

ですな。

 

飽食です、飽食。

 

 

でもね、噛みたい衝動に駆られるときがあるんです。

 

強引さは承知のうえですが、その欲求を満たすのが「ナンコツ」なんですなぁ、うんうん。

ナンコツコスモポリタン

 

で、今回の舞台は福岡市中央区警固の名店「野球鳥」。

 

「とり軟骨」「ぶた軟骨」の選択肢があるってすごい店ですよね。

 

しかもメニュー表記は「軟骨」です、漢字です。

 

こんな奇跡というか、僥倖はそうありませぬ。

 

でね、赤い字で「★こりこりおいしいよ!」ってオススメコメントがついている。

 

いまここで断言しよう!

 

こんなに”ナンコツ押し”の店は他にはありません。

 

 

宇宙一の軟骨レストラン=野球鳥

 

 

てなわけで、今回は野球鳥の「とり軟骨」(1本110円)に注目してみます。

 

だいたい、瓶ビールに「豚バラ」4本と「とり軟骨」2本で試合開始です。

 

 

どうですか、この雄姿。

 

いいですか、みなさん、野球鳥の「とり軟骨」はヤゲンですよ、ヤゲン。

 

胸骨の先端にあるナンコツ。

 

舟形でY字のようなフォルム。

 

名前の由来は、漢方薬や生薬をすりつぶすための道具「薬研」(やげん)にカタチが似ているからでやんす。

 

 

やっぱり塩焼きですよね。

 

特に”日本酒ちびちびラバーズ”にはたまりませんな。

 

店の姿勢がわかるのは「身のつき方」というか「身の残し方」。

 

スペアリブの醍醐味とはまったく違うんですが”身ひとつ”で印象が変わる。

 

野球鳥のそれは一言でいえば「ぶっきらぼう」。

 

身がついているヤゲンもあれば、まったくついていないヤゲンもある。

 

 

好きになるなら勝手にどうぞ、といったところ。

 

 

焦がし具合も大切です。

 

焦げていないとなんか気持ち悪いし、焦げすぎてもニガイし。

 

野球鳥は”エクセレント焦げバランス”じゃないですか。

 

さあ、串を左手に。

 

そしてゆっくりと回しながら、もう一度、ヤゲンの表と裏を視線で愛でる。

 

うんうん、いい、今日もバツグン。

 

え? どっちが表でどっちが裏かって?

 

そう言われればそうだなあ。

 

焼き鳥は両面とも表かもな。

 

じゃあ、アジの開きはどっちが表だろう、うーむ。

 

 

閑話休題。

 

 

縦に。

 

顔面と串が垂直になるように、そう、縦に。

 

ひと呼吸置いてから、ハムッ。

 

口にくわえ、上の歯と舌でヤゲンをひとつはさみ、抜き取る。

 

ヤゲンの表面を包み込むほのかな温もりと塩味を舌で楽しむ。

 

舌上で転がしたあとに”左奥歯ゾーン”へ。

 

口を半開きにしながら噛み始める。噛む。

 

カリコリと高音の咀嚼音が鳴るなかに、クニュとはさまる身のクッション。

 

まだ口のなかに残っているけれど、ヤゲン2号を、ハムッ。

 

”右奥歯ゾーン”スタンバイができたら、右左でコリコリカリカリコリッ!

 

8割ぐらい飲み込んだあとは最終的にビールを放流し胃の腑に流し込む。

 

ぷはーーっ。

 

ああ、この時が永遠に続いてほしい……。

 

 

椎名誠さんによると、男が一生で飲むビールの量は25メートルプール1杯分だとか。

 

酒が飲めるようになってからいままで、オイラはどれくらいのナンコツを摂取してきたのだろう。

 

ヤフオクドームの10分の1ぐらいかなぁ。

 

くりしん

でぶグルメライター

昭和40年代生まれの自称“でぶグルメライター”。飲みに行ったら30杯は飲む、酔っぱライターでもある。

 

■店舗情報

店名 野球鳥
ジャンル 焼き鳥
TEL 092-712-3641
住所 福岡市中央区警固1-1-23
交通手段 西鉄バス「薬院大通り」バス停より徒歩3分
営業時間 17:00〜26:00(日曜日は延長戦なし)
定休日 不定

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