
「普通」でいてくれてありがとう。居酒屋「酒一番」 「酒一番」(博多区中洲)
中洲の夜はドキドキする。お店選びもセンスを問われそうだ。ソワソワ。
そんな私の気持ちを察してか、職場の先輩が案内してくれたのは居酒屋「酒一番」。
看板に「安心して飲める店」と書いてある。なら安心だぁ。ここは入るしかないでしょう。
1階は全席カウンターで、常連さんが多い印象。2階の座敷席に案内されました。
おや、とても気になるメニューがあるぞ。ふむふむ。
いたんだろうなぁ、「ねぎベーコン巻きつくね」と間違えて頼んだ人がいたんだろうなぁ。
「ねぎ」と「ベーコン巻き」と「つくね」ね。ここまでしたらもう間違える人はいないだろうけど、
もし「ねぎベーコン巻きつくね」があったら売れるだろうね、きっと。
スタッフが「今日のおすすめは、タコとちぎり天ですよ。迷っているならどっちもたのんじゃいましょうかね」と笑顔でサラっと伝票に書こうとする。
低姿勢なのに強引! でも好きだよ、そういうの。是非お願いします。
ライターにあるまじき表現だけれど、2品とも“普通に”おいしい。
タコはコリコリしているし、ちぎり天は上に乗っている蓮根のカリっと具合が素敵。
次は4品。玉子焼き(290円)、ゴーヤチャンプルー(500円)、水餃子(500円)、鴨バター(650円)
玉子焼きを一口。
とっても甘くて濃い、田舎(鹿児島)のおばあちゃんの味。きっと砂糖の割合が高いのね。
いやだわ、この玉子焼き“普通に”おいしい。
続いてゴーヤチャンプルー。
ゴーヤの苦みが結構強め。苦みがおいしいと感じられる歳になったことに勝手に感無量になる。そしてこちらも普通に旨い。
それから水餃子。箸で持つと崩れてしまいそうな柔らかさ。いや、もはや柔らかすぎて箸で持てない。噛むというよりジューシーな肉汁をすするようなイメージ。これも普通においしいじゃない。安定しておいしいって素敵だわ。
そして鴨バター。これもきっと“普通”においしいんだろうな、と思っていたら、めちゃめちゃおいしい、やだこれ、めちゃめちゃおいしい。
創業50年を超えるお店のメニューになるほどの鴨だ。侮ってはいけなかった。
コラーゲンたっぷりの豚足は340円。確かにコラーゲンたっぷり、骨までしゃぶる(汚くてごめんなさい)。
明日の朝は肌つやが良くなっている気がするわ。
続いて届いたのが、かまぼこバター焼(290円)
お店の人曰く「かまぼこをバターで焼いただけですよ。バターの塩分で十分なので塩はいりませんよ」とのこと。かまぼこをバターで焼いただけで、お客(私)を満足させるメニューになるなんて……。すごいや、かまぼこバター。
「のり茶漬け」(440円)でフィニッシュ。
パリパリののりを予想していたら、意外、それは岩のり(みたいなやつ)。
お茶漬けのおいしさって、きっと日本人のDNAに組み込まれていると思うくらい安定したおいしさ。
普通においしい、と「普通普通」連呼してきたけれど、普通ってとっても難しくて素晴らしいと思うのです。そして安心します。
だからこのお店はこんなに親しまれているのではないかな、と初来店で勝手に思いました。
いつまでもそのままでいてくださいませ。
■店舗情報

店名 | 酒一番 |
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ジャンル | 居酒屋 |
TEL | 092-291-3920 |
住所 | 福岡市博多区中洲4丁目4-9 |
交通手段 | 地下鉄空港線 中洲川端駅より徒歩4分 |
営業時間 | 16:30~24:00 |
定休日 | 不定 |
