旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

唯一無二の辛子高菜で客を隷属するチャンポン屋 元祖ぴかいち(博多区博多駅前)

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  2017/08/17   ※記事公開時の日付です

もう32年の行きつけで、大将の張さんとは名前で呼び合う間柄で、だからけっこう言いにくいことなんだけど、

ぼくが『元祖ぴかいち』に通い続ける理由は、あのスペシャルな「辛子高菜」を偏愛しているからなのである。

 

いや、もちろん料理はすごい。チャンポン(750円)と皿うどん(750円)の二枚看板だけじゃなく、ラーメンや担々麺だって、あるいは夕方から注文できる一品料理も、ほんとよく設計されている。いわゆる「何を食べても美味い店」なのだ。

 

その中でぼくが“辛子高菜のために選ぶ”のはチャンポンセット(830円)である。

まずは運ばれてきたかしわ飯の中心を箸でほじって、そこに辛子高菜の山を築く。

 

浅すぎず、深すぎず、ちょうど良い漬かり具合の古漬けは、茎の部分はコリコリと噛み応えよく、葉の部分はねっとりと色気がある。高菜特有の香り、酸味と甘味の絶妙なバランス、ほどよい塩気、乳酸発酵の凝縮した旨味、そしてもちろん辛味だ。

 

ああ、だめ、だめ。

我慢できない、止まらない。

恍惚としてくる。

 

チャンポンが来たら、大きめのレンゲに辛子高菜をたっぷりのせて、そこにスープを注ぎ入れ、いわばつけダレの要領で麺や野菜をひたして食べる。ラストはあらためて丼に投入した高菜で染まる、そのどこまでも赤い海を汗だくになりながら飲み干すのである。

帰りには1000円のお持ち帰りを、だいたい5つは買っていくから、中華屋のひとり客とは思えないほどの支払いになる。

 

張さん、料理を二の次にしてごめんなさい。でもね、ぼくは14歳のあの時からずっと辛子高菜の奴隷なのです。

ところで、これは何だろう

料理とまったく関係ないものですが、店にはこんな看板もあります。

 

営業時間は11時からと聞いていたのだけど、これは……。

 

 

元木哲三

ライター

鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。

 

■店舗情報

店名 元祖ぴかいち
ジャンル ラーメン、ちゃんぽん
TEL 092-441-3611
住所 福岡県福岡市博多区博多駅前3-9-5 チサンマンション1階
交通手段 JR博多駅から徒歩8分
営業時間 11:00~19:00(L.O.18:30)
定休日 日曜

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