旅行や日々のグルメ探訪に！ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報

地下鉄室見駅近く、明治通り沿いにある「たか松」は「この店を知ったことが嬉しい」と感じる割烹です。のれんをくぐると、そこは車の往来が多い表通りとは別世界。重厚感がある空間にカウンターがすらっと奥へと伸びています。そのカウンターの天板はガラスでできていて、くりぬいた中には枯山水の庭を模したあしらいが……。食事をしながら白砂に描かれた文様を見ていると、きっと風流な気持ちになれるんでしょうね。それ以外にも、随所に凝らされた意匠に胸が高鳴ります。

口のなかが百花繚乱……！

頼んだランチ（2500円）は、一皿一皿が至福でした。まずは前菜。豆皿でずらっと並ぶのは目にも楽しいし、酢の物、煮物とさまざまな味わいが口の中で花開いて百花繚乱、色とりどりに咲き乱れております。


そのあともお造り、肉料理、魚料理、茶わん蒸し……と、この価格が信じられないほど次から次へと出てくるし、どれもが手間暇かかっているのが“ひと口”瞭然なのです。


美しい盛り付けに食べるのが惜しくなる……いや、食べます。もちろん。繊細な味覚の重なりを隅々まで味わい尽くします。


ごはんと味噌汁、香の物までパーフェクト。最後はあたたかい抹茶と和菓子が供されます。両手で抱えてすっと飲み込む瞬間がまた嬉しくて。満足感いっぱいで再訪を誓いました。ちなみに今回は子連れだったもので、奥の個室（掘りごたつ席）を予約しています。特別な日や祝い事におすすめ。

奥永智絵

ライター・エディター

福岡市で活動するライター・エディター。県内60店以上でカレーを食し、出張となればカレー屋を探し、ふつか酔いにも風邪にもカレーが効くと信じている。ほとんど毎晩飲んで過ごし、心惹かれるつまみは炙りもの、燻しもの、漬物。