
セネガル料理のおいしさに開眼した夜 SADI DAKAR サディダカール(中央区今泉)
福岡で唯一のアフリカンバー。と聞くと、サバンナを彷彿させるナチュラルな木のインテリアに高揚感のあるアフリカンミュージック……と想像しませんか。もう、全然違います。扉を開けたら、まるで劇場のようにライティングされたカウンターがどーん。壁にはセネガルのアーティストが描いた抽象画。めっちゃスタイリッシュです。
なんでも、セネガルの首都はオフィスビルやファッションビルが並ぶ一大都市なんだそうで、インテリアは都市部をイメージしたのだとか。ここで味わえるのはアフリカンビールにアフリカワイン、アフリカをイメージした華やかなカクテル。そして、セネガル人直伝のセネガル料理。宗主国だったフランスの影響を受け、アフリカの中で美食の国といわれているだけに、どんな味わいなのか気になります。
酒も料理も陽気でおおらかで、繊細
まずはアフリカンビールとバオバブプレート(1200円)を。本日のチーズ、干し葡萄、自家製レバーパテとバオバブの実の粉からつくった自家製パンの盛り合わせで、ほろ苦く爽やかな飲み口のビールがあっという間になくなってしまいます。
次は、エレファント・ジンを使ったジン・バックを。このエレファント・ジンがおいしくて!原産国はドイツなのだけれど、アフリカのボタニカルが10種以上使われているのです。ちょっとクセがあるけれど、それがまた良い味わいで、度数が高いのにスイスイ飲んでしまう。つまみにはモロッコのハリラスープを合わせました。メニューにはないけれど、たまたま店主のKYOKOさんがつくっていたそうで、これもまた、たまらない。ラタトゥイユのアフリカ版でクミンやスパイスの香りが食欲を刺激するのです。
最後に、カクテル・バオバブグレープ(800円)と、セネガル料理のマフェ(800円)を。マフェは、日本でいう味噌汁のような大衆料理で、肉をトマトのスープで煮込む、というベースがあり、具材は家庭や行事によってさまざまなんだとか。サディダカールのマフェは牛肉、トマトのほかに、タマネギ、ニンジンなどの具材が入り、ブイヨンを加えたトマトスープにバオバブ粉やセネガル直送の辛味調味料、ピーナツバターを足している。
一口食べると旨味が広がって、ああ、ホッとする。そして、最後に無糖のピーナツバターがふわっと香って後を引く。これはシメの定番になりそう。ちなみに、料理やカクテルに使っているバオバブは美肌食材で、夜中に飲み食いしてもなんとなく罪悪感が薄れます。
セネガル料理は思った以上に繊細で味わい深い。ほどよいスパイスで酒がすすむ。他の料理はどんなだろう。俄然、セネガルに興味がわきました。
ライター・エディター
福岡市で活動するライター・エディター。県内60店以上でカレーを食し、出張となればカレー屋を探し、ふつか酔いにも風邪にもカレーが効くと信じている。ほとんど毎晩飲んで過ごし、心惹かれるつまみは炙りもの、燻しもの、漬物。
■店舗情報
店名 | SADI DAKAR(サディダカール) |
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ジャンル | バー |
TEL | 092-717-6700 |
住所 | 福岡市中央区今泉1-13-28 2階 |
交通手段 | 西鉄バス天神警固神社三越前バス停から徒歩2分、地下鉄天神南駅より徒歩5分 |
営業時間 | 20:00~翌2:00(金・土・祝前日~翌5:00) |
定休日 | 不定 |
