
福岡でたぶん最も高級な居酒屋「博多 田中田」 博多 田中田 博多本店(中央区清川)
支払いは一人15000円程度を覚悟しておいたほうがいい。それでも田中田は居酒屋である。
価格の書いていないメニューを開けば、最高級の和牛ステーキや、きんきや赤ムツの煮付けといった超高級メニューに目を奪われるが、よく見るとほら、「山芋お好み焼き」「明太じゃがバター」「揚げだしモチ」あたり、まごうことなき居酒屋メニューである。
確かに、好きなものを、好きなだけ、好きな調理法で食べることができるのだから、ここは料亭でも、割烹でもなく、やはり居酒屋だ。ただ、食材が飛び抜けていい。特級のものしか使わないし、それを確かな腕で調理してくれるから、(物書きとしてこういう書き方はどうかと思うけど)どれを食べても確実にうまい。
食材の値打ちがわかる人なら、この店の食品原価率の高さは想像がつくだろう。つまり相対的に安いのである。実際、ぼくは田中田系列の全店舗の原価率を見せてもらったけれど、完全に非常識な数字だった。そう、連日満員が実現できなければ、とうてい立ち行かない設定なのだ。
極上のエンタテインメントを食す
だから田中田に行くときは「よし、今日は贅沢するぞ」と心に決めて、本当に食べたいものを注文すればいい。それができない人は田中田の客じゃない。
なんてことを書くと、嫉妬されそうだけれど、もちろん、ぼくの経済力だと、そうそう行ける店ではない。だからこそ覚悟するのである。そして150種類以上のメニューから自分だけの「コース」を作り出し、最高の3時間を味わい尽くすのである。
大切な客をもてなすとき、田中田ならば、まず間違いはない。問題は遅い時間以外は予約が取りにくいことである。田中田という大人の、そして極上のエンタテインメントのことが気になったら、今すぐ電話してみることだ。
わざわざ、こんなことを言う必要はないかもしれないけど、東京・西麻布に出した店は、たちまち大ヒット。客単価は2〜3万円で、つまり博多だからこそ比較的安く、田中田での美食を体験できるわけだ。
と、ここまで書いても、「高い」と思うなら、きっぱり言うけど、行かなきゃいい。損をするのはぼくじゃない。
あっ、そうそう。「うちのほうが高いぞ!」という居酒屋オーナーの方がいらっしゃったらご一報を。謝罪がてら、食事に伺いますので。
ライター
鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。
■店舗情報
店名 | 田中田 博多本店 |
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ジャンル | 和食、居酒屋 |
TEL | 092-522-1211 |
住所 | 福岡県福岡市中央区清川3-16-19 アーバントップ 1F |
交通手段 | 西鉄平尾駅から570m |
営業時間 | [火~土] 18:00~25:00 [日・祝] 17:00~23:00 夜10時以降入店可、日曜営業 |
定休日 | 月曜日 |
