
「つるやラーメン」で考える。「良い店」の定義とは? つるやラーメン(中央区大名)
※閉店しました。
パンの老舗「ボンジュール」が閉店してから何年が経っただろう。ポップでかわいらしいゴシック調で「ボンジュール」と書かれた看板は、閉店した今でもなおその場所に残っている。
閉店したあとでも私たちが忘れないお店。「良い店」って、こういうお店のことを言うんだろうか、なんてついつい考えてしまう。
前から気になっていた大名の「つるやラーメン」へ
その「ボンジュール」のあった隣の場所に、同じように古くから佇んでいる「つるやラーメン」。赤いくたびれた暖簾を見たことはあっても、入ったことがあるという人は案外少ないのではないかと踏んでいる。
店を営んでいるのは店主と(おそらく)奥様。博多らしいトンコツラーメンを出してくれる。おしゃれなメニューがあるわけではない。
ラーメン、ちゃんぽん、そんなふうなシンプルさがかえって新鮮に思えてきて、食べているうちにだんだんお店のことも好きになっていく。夕方だからお客さんは少ない。それでも、私が食べている間に2名の男性客が来た。後ろのテーブル席では店主と女将さんが晩ごはんの献立の話をしている。もやし……キャベツ……今夜は何をつくるんだろう。
一度店を訪れて以来、店先を通るたびに「つるやラーメン」の様子は確認するようになった。今日も店主は元気かな、お客さんは何人入ってるかな。
そこに「ある」ことに意味がある店
「良い店」とはなんだろう。最近よく、そんなことを考えていた。たとえば今「つるやラーメン」がなくなったとしたら、ものすごく悲しい気持ちになると思う。なくなったら困る。これだと思った。
どうしてそんな思考になったのかはわからないけれど、そこにそのお店があるということを、普段あまりにも簡単に思い過ごしていた。福岡の市街地で一年間続く店の数は4割もないという。
そんななかで、何十年もスープを守り、店を開け続けている「つるやラーメン」しかり、長く続く店には必ず理由がある。たとえその理由が明確でなかったとしても、私たちが大切にすべき存在はいつでもすぐ近くにあるのだ。
■店舗情報
店名 | つるやラーメン |
---|---|
ジャンル | ラーメン |
TEL | 092-715-0234 |
住所 | 福岡県福岡市中央区大名1-10-18 |
交通手段 | 赤坂駅から298m |
営業時間 | 11:00~21:00(L.O) ランチ営業 |
定休日 | 日祝日 |

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